「ピアノを習いたいのですが、キーボードしか持っていなくても大丈夫ですか?」
というご質問にお答えします。
結論から言うと、
キーボードを弾けるようになりたいのでしたらキーボードを持っていれば大丈夫です。
でも、ピアノを弾けるようになりたいのでしたら、ピアノが必要になります。
それはなぜかというと、主な理由は4つあります。
1、強く弾いても弱く弾いても音量が変わらない
2、鍵盤の重さが違う
3、鍵盤の数が違う
4、ペダルが必要になる
では一つずつ説明しますね。
【1 強く弾いても弱く弾いても音量が変わらない 】
ピアノは鍵盤を弾く強さで音量を変えます。
1曲の中で強さが全く変わらない曲はありませんよね。
鍵盤をゆっくり静かに弾くと弱く優しい音が出ます。
速く打鍵すると強い音が出ます。
このように、ピアノは、鍵盤を押すスピードや指の角度や力をかける方向などによって
強弱や微妙なニュアンスを出して演奏します。
これに対してキーボードは強く弾いても弱く弾いても音量を変えることはできないものがほとんどです。
最近はタッチトーン(強く弾けば強い音が出て、弱く弾けば弱い音が出る)がきくものもありますが、鍵盤の重さがピアノよりかなり軽いです。
【 2、鍵盤の重さが違う 】
鍵盤の幅や大きさが同じならピアノじゃなくても大丈夫なのではないかと思われる方もいるかもしれません。
確かに幅が同じでしたら、指の位置の練習にはなります。
でも、重さが全然違うんですよ。
私はエレクトーンからピアノに転向したのでいやというほどわかるのですが、
キーボードで練習して弾けたとしても、ピアノで弾くとうまく弾けなくてびっくりしたことがあります。
指が弱くて、ピアノを弾くと、ものすごく疲れてしまうんですね。
音は出るのですが、スカスカしてるというか、しっかりした音が出ないのです。
それで、しっかり音を出さなければ!と思って弾くと
力んでしまって詰まった音になり、良い音が出ません。
また、私の場合、キーボードでは速いテンポで弾けていたとしても
ピアノは鍵盤が重くて速いテンポではとても弾けませんでした。
結局、キーボードは鍵盤が軽いですから、弾くのが楽なわけです。
ちょっと触るだけで音が出ますから。
それが悪いということではありませんよ、それがキーボードの良さでもあるわけですから。
ただ、ピアノを弾けるようになりたい場合は話が変わってきます。
キーボードで楽に弾けていても、
その弾き方でピアノでうまく弾けないのは、「弾き方が違うから」と言えます。
つまり、キーボードでうまく弾ければピアノもうまく弾けるかというと
そうではない、ということですね。
【 3、鍵盤の数が違う 】
ピアノの鍵盤の数は88鍵あります。
しかしキーボードはそこまでないものがほとんどです。
88鍵のものもありますが、そうなると電子ピアノのようなタッチのものになる場合が多いです。
ピアノは左手で低音を弾きますね。
例えばショパンのノクターンのような曲を弾こうとしたときに、鍵盤の数が足りないと1拍目のバスの音域の鍵盤が無い!ということになります。
それでは曲になりませんよね(笑)
同じように、高い音域も足りなくなります。
童謡など、音域がせまい曲でしたら鍵盤が足りるかもしれませんが、本格的なピアノの曲を弾こうと思うと、キーボードでは鍵盤が足りません。
【 4、ペダルが必要になる 】
ピアノを演奏している人をよく観察すると、右足でペダルを踏んでいますよね。
初心者の頃はまだペダルを使う曲は出てきませんが、
だんだん上達していくとペダルを使う曲が多くなってきます。
キーボードにはペダルがありません。
最近はオプションでペダルをコードでつなげられるものもありますね。
そのペダルは、音が響いて、ピアノのペダルと同じような効果を出すことはできます。
ですので、ペダルを踏むタイミングは練習できると思います。
ただ、踏み心地がピアノと違います。
重みや高さ、どのぐらい踏んだらペダルの効果が出る、というペダルを踏む深さも違います。
これがピアノとキーボードの主な違いです。
このようなことから、習い始めのうちはまだキーボードでも大丈夫かもしれませんが、
ピアノを弾けるようになりたいのでしたら
できるだけ早いうちにピアノを準備することをおすすめします。
以上、
「ピアノを習いたいのですが、キーボードしか持っていなくても大丈夫ですか?」
というご質問にお答えしました。
ありがとうございました。
同じ内容を動画でも撮ってみました。
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